このような症状はありませんか?この3つが顎関節症の三大症状です。
ただしこのような症状は比較的多くの人が一生のうち1回は経験すると言われており、すべて治療が必要というわけではありません。
このような症状がある人のうち実際に治療が必要になる人は5%程度と言われています。
不快症状が1~2週間以上続くようなら受診してみてください。
顎関節症は、あごの関節(顎関節)やあごを動かしている筋肉の痛み、顎関節の雑音、開口障害あるいはあごの運動異常を主な症状とする障害をとりまとめた病名です。
主な病態として
・あごを動かす筋肉の痛みを主な症状とするもの(咀嚼筋痛障害)
・顎関節の痛みを主な症状とするもの(顎関節痛障害)
・顎関節の中の関節円板※1のずれが生じるもの(顎関節円板障害)
・顎関節を構成する骨に変化が生じるもの(変形性顎関節症)
があります。
(※1 関節円板とは、顎関節の骨と骨の間にあるクッションの役割をしている繊維状の組織です。)
従来は「かみ合わせの悪さ」が原因と考えられていましたが、最近はかみ合わせも一つの要因に過ぎず、様々な要因が複合的に重なってその人の顎関節の持つ耐久力を超えると症状が出るという考え方が主流です。
様々な要因としては次ぎのようなものがあります。
・かみ合わせが悪い
・ストレス、うつ、不安な気持ちの持続などの精神的な要因
・打撲、転倒、交通外傷などの外的要因
・歯列接触癖(無意識な状態で上下の歯が接している)、頬杖、筆記具かみ、うつぶせ読書などの悪習癖
・片側でのかみ癖、硬い物ばかりかんでいる
・睡眠時における歯ぎしり、食いしばり、うつぶせ寝、高すぎる枕など
・スポーツ、ダイビングなどでの食いしばり
・吹奏楽器の演奏
・緊張が持続する仕事、コンピューター作業、精密作業など
これらの要因のうち、無意識な状態の時でも上下の歯を接触させている(かみ合わせている)歯列接触癖が特に重要であると最近わかってきました。
口を閉じている時でも正常な状態では上下の歯はかんでいなくてわずかに隙間があるのですが、顎関節症患者さん多くは口を閉じているときに上下の歯もかんでいるという癖があるということがわかってきました。
この癖があると顎関節や筋肉に持続的な負担がかかることから、顎関節症を引き起こしやすくなります。
口を開ける際、まず下顎頭は回転し、さらに大きく開けると下顎頭は前方に移動し、関節円盤も一緒に前方に移動します。
関節円盤が前方にずれていて変形してます。
口を開けると下顎頭がずれていて変形している関節円盤にひっかかります。
さらにあけるとひっかかりがはずれて下顎頭が前方に移動す際にカクンと音がします。
関節円盤がさらに変形していると、口を開ける際、下顎頭が変形した関節円盤にひっかかり変形が強いのでひっかかりがはずれなくなります。
下顎頭は前に移動することができず、口が大きく開けられなくなります。
顎関節症は、日常生活における悪習癖が関係している場合が多くありますので、これを改善することで症状が軽くなる場合があります。
具体的には
・顎関節や咀嚼筋への負担を減らすため、硬い食品や長時間の咀嚼は避ける
・頬杖をやめる
・ぼーとしている時や仕事をしている時に上下の歯が接触していることに気付いたら歯を離すようにする
・片側だけで噛むことをやめる
などです。
顎関節や筋肉の痛みに対して、消炎鎮痛薬を投与します。1週間程度の投与で改善が見られることが多いです。
スプリントは主に上顎の歯列に被せるプラスチックの装置です。
これを睡眠中に使用することで、無意識なかみしめで生じる顎関節や筋肉への負担を軽減させます。
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